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着るものについて
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今日は最近ちょっと気になる 着るもの について
書いてみようと思います。

衣食住のうち
食と住には
それなりに好みも好奇心もあって
積極的に接触しているのですが
こと「衣」に関しては
どちらかというと必要最低限の興味しか持てないでいました。
似合いそうな色と似合わない色
好きな形と好きだけど似合わない形 くらいはなんとなくわかるような気がします。
まあ、それくらいの気持ちでした。

ところがこの夏は
おもしろいなと思うことが 服についてでした。

ひとつは

拡張するファッション

林央子さんの著書から生まれた展覧会。
水戸美術館での展示を経て
今は、9月23日まで
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で見ることができます。

着るものは流行やステイタス
発信する側の意図など
自分の気持ちと違うところに軸があるような気がして
それで今ひとつ興味が持てなかったのかもしれません。

ところが今回
林央子さんの口から語られた
この展示会の取り組みにはっとしました。

ファッションは季節ごとに最新の流行情報を与えるシステムだ。
これまで多くの人に、ファッションはそう受け止められてきた。
新作コレクションや流行情報の量が圧倒的なあまり
人々はそこに自分の思考を挟むことを、機械的に阻止してしまってきたのかもしれない。
でも実は、ファッションを入り口にして
さまざまなことを語ることができる。
ー 林央子「拡張するファッション」より



そう語る林さんは資生堂の情報誌「 花椿 」の編集者として活躍され
長年ファッションやアートの世界を見つめてこられた方です。

服が自分を語る手段になり
しかもそれはあるものから選ぶのではなく
自分でも作り出していけるものだなんて
思ってもみませんでした。

あ、日頃服を作っている方たちなら
あたりまえかもしれませんね。

でも私の場合、作るとしても
型紙があったり
いいなと思う服の形を何処かで見たりして
それをコピーするくらいのものだったので
自分を語るツールという意識は全くありませんでした。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の学芸員の方々が
この展示に当たり、
自ら手を動かして服を作られ
私と同じような経験と意識しかなかった方が
新しい扉を開いたようなコメントを書いていらっしゃったのを読みました。
何だかドキドキして
いてもたってもいられなくなって
何とかこの展示会に行きたいなと思ってしまったのでした。



もうひとつは偶然見ることができた展示会でした。


8月の終わりに
一度行ってみたかった
東京池袋の自由学園明日館で
園芸のセミナーがあるよと教えてもらいました。
フランク・ロイド・ライトと遠藤新の設計によるこの建物は
国の重要文化財となっていて
大谷石を多用した 温かみのある石の建物です。
この空間でイギリスから講師を招いて植物のお話が聞けるなんていいなと思って
参加しました。
その時ご一緒したつや子さんが
国立新美術館で展示がとてもよかったと教えてくれました。
それが「バレエ・リュス」展
冒頭の写真が展示の一部です。

何の前知識もなかったのですが
つやこさんの語る言葉が本当に楽しげで
いってみることにしました。
見る前からワクワクしていました。

展示がしてあったのは、1909年にパリで鮮烈なデビューをした
伝説的なバレエ団 バレエ・リュス (ロシアバレエ)約20年間のコスチュームでした。

そのコスチュームの素敵なこと!


初めはロシア民族の要素のあったコスチュームが並んでいましたが、
そのうち
デザインをするのは当時の若手アーティストになっていきます。
そのひとたちは、なんと
ピカソやマティス、ジャン・コクトー
ローランサンやシャネルなど。
主宰者ディアギレフは若手アーティストたちの才能も
見出す力があったようです。
コスチュームとともにデッサンも展示してあって
それも興味深い。
このデザインがこの衣装に と
見比べることもできて
デザインを見ながらコスチュームに仕立てていく衣装の担当の人たちの
心意気も垣間見ることができました。
コスチュームは当然手作りなので
針の運び方 色合わせ 生地の選び方など
見ていてちっとも飽きません。
あんまりじっくり見すぎて
一緒に回っていた野口さんとはぐれてしまいました。
野口さん、ごめんなさい。



魅惑的なコスチュームを見ながら
林央子さんの
「ファッションを入り口にして
様々なことを語ることができる」

という言葉を思い出していました。

ほんとう、ファッションは多弁だ。

着るものは
じつはとてもおもしろいものかもしれない。
自由で楽しくて。
必要最小限の興味しかもてなかった 着るもの が
一気に魅力的になってきました。



はじめの
丸亀市の美術館は行く気満々だったのが
事情があり
行くのをやめようかと思っていました。
あと10日。
思いに任せて行ってしまおうかな。
ここは行くべきかな。


















by ingreen 松田りさ | by ingreen-m2 | 2014-09-11 18:26 | そのほか | TOP▲
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スバコのある庭 摘み草の庭を提唱。 くらしの一部として庭を考えます
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